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出張・会議など、報酬を伴わない活動での短期滞在

現在、出張・会議などの理由で、日本に短期在留する外国人が増加傾向にあります。
観光も含めて、年間の訪日外国人は2000万人を超え、日本の政策次第では今後も増加することが予想されます。

ビジネスでの出張・会議であれば、2〜3日も滞在期間があれば十分だと考える場合が多く、
半日や1日の滞在で十分だという場合もあるでしょう。

一般的には数日の滞在である出張や会議のために多くの書類を集める必要があり、
在留資格取得許可申請を行うことは煩わしさを感じてしまうこともあります。

しかし、原則的には何かしらの在留資格を有していなくては、日本に入国・滞在(在留)することはできません。
そこで活用されるのが「短期滞在」の在留資格です。

「短期滞在」

「短期滞在」とは、観光や親族訪問、短期の商用(会議やアフターサービス、研修等)を目的として日本に滞在するための在留資格です。

この点、現在68のビザ免除措置国・地域(2017年7月時点)があり、
ビザ免除該当国・地域の外国人であれば、特に「短期滞在」の在留資格取得許可申請やその他手続きを行う必要はありません。

日本に入国したタイミングで、15日、30日、90日間の「短期滞在」在留資格が付与されるためです。
期間更新が可能な場合もありますが、原則として、「短期滞在」の在留資格では1年間の総滞在日数が180日以下である必要があります。

一方、68のビザ免除措置国・地域に該当しない場合は、それぞれの国や地域の日本大使館で「短期滞在」の在留資格を取得する必要があります。
「短期滞在」の在留資格を申請する場所は、それぞれの国や地域の日本大使館なのですが、
提出書類は日本国内で発行された書類(原則として、外務省の公印確認やアポスティーユ認証が必要)を提出する必要があります。

そのため、68のビザ免除措置国・地域に該当しない場合に、
当該外国人が出張・会議で日本を訪れる際には、日本側に申請のサポートを行う人が必要です。

通常は、自社の社員や取引先の人が手続きのサポートを行うことが一般的ですが、
申請取次行政書士等の専門家にご相談いただくことで、スムーズに申請手続きを行うことができますので、ぜひご検討下さい。

「短期滞在」の在留資格を申請する前に

「短期滞在」の在留資格は就労ビザとは異なり、
報酬を受け取ることや収入を伴う事業を運営する活動は一切行うことができません。
報酬を受け取る行為等があったと判断された場合には、不法滞在となってしまう可能性があります。

その際、仮に日本側に出張・会議へ向けて在留資格等のサポートを行っていた人がいた場合には
共犯とされることもあります。
そのため、サポートを行う人は当該外国人に対して、「短期滞在」の在留資格で行える範囲や滞在期間等、一定の情報を説明する必要があります。
報酬を受け取ることや収入を伴う事業を運営する活動を予定している場合は、
「短期滞在」ではなく、就労が可能な在留資格取得を検討する必要があります。

「短期滞在」の在留資格を申請する際の注意点

前述の通り、「短期滞在」の在留資格では、報酬を受け取ることや収入を伴う事業を運営する活動を行うことはできません。

この点を詳しくご説明します。

①報酬を受け取ることができない

金額の多寡は一切関係なく、報酬の支払元が海外の機関であったとしても報酬を受け取ることができません。

しかし、渡航費や滞在費、宿泊費等の実費であれば、受け取る(日本側の企業に負担してもらう)ことができます。なお、業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものを受け取っても構いません。

②無報酬であっても労働は不可

報酬が発生しない労働も禁じられています。
「短期滞在」の在留資格では、たとえ無報酬であっても労働を行うことはできません。

例えば、工場におけるライン作業や接客・レジ打ちが目的であった場合には、たとえ研修だとしても、労働だと見なされて「短期滞在」の在留資格は許可されない可能性があります。
それに対し見込み顧客との商談、懇親会・オリエンテーションなどは、労働を伴わない活動と判断される場合が多く、「短期滞在」の在留資格でも問題ない可能性が高いです。

許可の最終的な判断は、法務大臣の広範な裁量に委ねられているため、
労働を伴うのか伴わないのかの明確な線引きは申請者には難しいのが現状です。

③日本側の企業が対価を得ない

当該外国人が報酬を得ないことはもちろん、日本側の企業も対価を得ることはできません。

上記のように、「短期滞在」の在留資格を申請する際の注意点は、
非常に線引き(労働の定義や対価の意義)が難しいという点です。

適法に手続きを行いたい場合には、申請取次行政書士等の専門家にご相談ください。

まとめ

現在、働き方は複雑化・多様化しており、プライベートとビジネスの線引きが難しくなっています。インターネットが発達した現在では、世界中どこにいても仕事が可能です。

「短期滞在」の在留資格中に、母国での仕事をしてはならないというわけではありません。
もちろん、株やFXを運用してはならないという規則もありません。
どこからが日本の「短期滞在」の在留資格を取得して活動したものか、プライベートなものなのかは明確ではないのです。

こちらの記事でご紹介した注意点等はあくまで、外国人と受け入れる企業との間の注意点です。
「短期滞在」の在留資格を取得して日本に滞在する場合には、双方ともに「短期滞在」の活動範囲や期間を十分に確認した上で、上記注意点を遵守することが大事です。

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